第23節 vs愛媛 2-2 第24節 vs富山戦 2-0
現在、リーグ1位と2位との2連戦は1勝1分けと後のない状況で望みを繋ぎました。とくに愛媛戦では、1-2の場面で出場した那須大亮選手に対して様々な意見が発信され話題となりました。既に現役を引退していた那須氏は一週間という短い期間限定での現役復帰、グルージャのトレーニングに合流して大事な場面で出場も果たしました。同点に持ち込むPKのきっかけにも絡み、41歳という年齢、これまで前例のない助っ人の登場に称賛の声が上がる一方で疑問を呈する声もあります。良いか悪いか、間違っているのかそうでないか、恐らく議論しても結論は出ないでしょう。
那須大亮選手の期間限定現役復帰から安彦考真が考えるJ3の現状 (出典:日刊スポーツ)
那須選手出場よりも、グルージャに岩手県出身選手がいないことのもどかしさ
何よりも前提として触れておきたい事は、那須氏の行動は想像する限り少なくない人間(チーム関係者含め)の間で発案、企画、意見交換があり、そして合議の上で行われたという事です。これは盛岡に限らずJのあらゆるチームが様々な問題、課題と向き合った結果のひとつの解決策ともいえます。夢を売りながらも、経営を安定させなけらばならないスポーツ事業の難しさ、それを乗り越えるにためには新しいアイディアと知恵も必要でしょう、ということです。
今年はJリーグ発足30周年。だからこそ原点に帰ってみてはどうでしょうか。Jリーグの理念の中に「ホームタウン活動」があります。目指すのは「地域に根差したスポーツクラブ」です。チームはホームタウンの住民、行政、企業と一体となる。残念ながら現在グルージャ盛岡に岩手県出身の選手はいません。
地域に根差したスポーツとは何か、を再考する
7月に墓参りで帰省した折、久しぶりに同級生5人でのもう!となりました。50も半ばになって同級生と酒を酌み交わしていると大体話すことは決まってしまいます。同じ昔話を何度もしているはずなのに、涙が出るほど腹を抱えて笑ってしまう。同級生とはかけがえのないものです。そんなやり取りの中で私はこんなことを問いかけられました。
「佐々木、サッカーもいいけど相撲は観てるのか?」
その日は七月名古屋場所の六日目が終わったところで、岩手盛岡出身の錦木(ニシキギ)が初日から6連勝中。初日から7日目の中日前とは言え優勝争いにその名が上がっていました。恥ずかしながら知りませんでした。後で調べてみると錦木(@wiki)は現在33歳、16歳で初土俵を踏み上がったり下がったり、それでもコツコツと番付を上げ、現在自己最高位の前頭筆頭です。この名古屋場所では二日目に横綱照ノ富士に土をつけ6連勝でした。(名古屋場所成績)その同級生、グルージャ盛岡の試合は一度も観たことはありませんが、倍率の高い大相撲岩手巡業のチケットを取り損ねて悔しがっていました。
Jリーグはスポーツ事業の道先案内人
強いチームは確かに魅力的です。しかしスポーツである以上勝つものいれば必ず負けるものもいます。上がることもあれば落ちることもあります。永く愛されるチームとは。人を惹きつけ地域に必要とされるスポーツ事業とは。企業の広告塔の役割を担ったプロ野球とは異なり、Jリーグは今後も日本のプロスポーツ事業の道先案内人ではないかと思います。これからもJリーグでの活動、行動がスポーツの未来のためであることを願います。
佐々木徹勝
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