第35節 vs 金沢 1-1
35節の金沢戦は1-1のドロー。この結果を受けてグルージャ盛岡は今シーズン3試合を残して、JFLへの自動降格が確定しました。5勝7分け23敗 得点25失点69、一つ上の19位とは勝ち点でも二桁離されました。失点が多すぎた負けが重なり勝ち点を取れませんでした。
Jリーグの規定により、入れ替え戦はなくJ3最下位はJFLに自動降格し、JFL 1位はJ3に昇格となるので、必然的に降格の惨劇と昇格の歓喜はどこかのチームに訪れます。盛岡は、更に観客動員数を見ても宮崎の次、最下位ではありませんが19位です。JFLの上位3チームのホームゲームにおける平均観客数は2000人を超えています。方やJ3の盛岡は最高観客数で2500人台、平均に至っては1300人台という結果が出ています。カテゴリーが上であっても勝ち星の少ない下位チームと、カテゴリーが下の上位チームでは観客数で下回っていても仕方のないことかもしれません。ただ、少なすぎます。JFLからJ3への昇格条件にはリーグ戦の成績はもちろんですが、ライセンス取得がありますがその中に、ホームゲームにおける観客動員数にも一定の基準が求められています。地域主体のプロスポーツクラブとしてやはりその地域の理解、サポートそして貢献を果たすことなしには存続出来ない。強くなること以外に取り組まねばならない事が組織、そして地域としてあるのではないか?この2年間グルージャ盛岡を見てきて私が個人的に感じたことです。
野球、サッカーの共存という地域の課題
岩手と言えば大谷翔平選手をはじめ菊池雄星選手、そしてわが母校大船渡高校からは佐々木朗希選手と野球界のビックネームが揃ってます。サッカー選手で言えば小笠原満男さん、ぐっと遡って菊池新吉さん(元ヴェルディキーパー)といったところです。もしかすると、高校野球岩手県大会ともなれば、カードによってはグルージャ盛岡の試合より観客数があるのでは?因みに旧グルージャ盛岡のホームスタジアムの隣に新しく立派な野球スタジアムが建ちました。県民も行政も岩手はどうやら野球に重心が傾いている様子です。野球のプロチームは無いのですが・・・
様々なアウェイチームの努力を可視化してみたい
とにかくスタジアムに足を運んでいただく、ということであれば、他チームから学ぶ事も多々あると思います。ホームゲームにおける観客動員数と順位は当然のことながら一致しているわけではありません。松本はカテゴリーが変わっても、更に順位が多少落ちても常にJ1クラスの観客動員数を維持しています。金沢、北九州、岐阜、長野あたりも平均で4,000人を超えています。
地域性や歴史も背景にはあるかもしれませんが、球団をはじめスポンサーやそれらを取り巻く方々のアイデアや努力があるのでは?と想像します。方や遠いアウェイのスタジアムで声を張り上げ太鼓を叩いているサポーターの方々を見ると本当に頭が下がります。選手もスタッフも気合いが入ることでしょう。30節の盛岡ホームにて観戦した折、相手は北九州でした。この時もまたアウェイ側ゴール裏には熱心な北九州サポーターの地域色あるドスのきいた声が響いてました。激しいプレイや審判の微妙な判定には「審判、ちゃんと見てよ」と凄みまで入ってます。帰り際、駐車場を抜けているとなんと北九州ナンバーが止まっていました。どうやって来たのか聞いてみたくなりました。
来期はJFLからの再スタートとなるグルージャ盛岡ですが、現秋田球団代表の退任が決まり、続いて球団組織内も一新されるでしょう。J2昇格という栄光の積み上げた実績を一度リセットして、捲土重来、盛岡のチームを作り上げていかれることを期待します。
佐々木徹勝
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